DH(P)

ダミーヘッド(フォン)

About

バイノーラル録音を可能にするダミーヘッドのヘッドフォン取り付けモデルです。 まさかもう一度ダミーヘッドを作ることになるとは自分でも思いませんでしたが, 今作は工作としての完成度が上がったように思います。

発泡スチロール製マネキンヘッドを元にした過去のダミーヘッドの作成記録はこちら: ダミーヘッド

全体像。ヘッドフォンの両側に取り付けるタイプのバイノーラル録音用マイクなので ダミーヘッド(フォン)です。

ヘッドフォン一体型のほうが屋外で使用するときに不審者扱いされないかな,と思い, この方式にしてみましたが,完成品を装着してみたところ完全に不審者でした。 頭からケーブルが3本も伸びているのも怪しさを引き立てます。

マイクケーブルの接続は3.5mmステレオジャックを用います。 このダミーヘッド(フォン)用に3.5mmステレオジャック→XLRメスの専用ケーブルを作成しました。 一応なんちゃってバランス駆動します。

外装はタカチ製のアルミケースYM-30をベースにしており,金属でシールドすることでノイズ低減を図っています。 アルミケースとヘッドフォンを繋いでいるパーツは3Dプリンタで作成したものです。

今回の疑似外耳部分。単純な図形の組み合わせにしてみました。 個人的な意見ですが,通常使用のバイノーラル録音目的に使用するダミーヘッドにおいて, 本物を再現したような頭部や外耳は必須ではないと覆っています。 (気なる方はこちらのジャーナルなどを参照下さい: 頭部伝達関数の計測とバイノーラル再生にかかわる諸問題

今回ダミーヘッド(フォン)に使用したSONY製MDR-7506ですが,こちらの改造記事 にあるようにケーブル着脱式しBluetoothレシーバーを取り付けていました。 しかし今回のダミーヘッドモジュールの装着によりBluetoothレシーバーの取り付け位置を変更する必要がでたため, 写真のようBluetoothレシーバー取り付け用ジグも作ってみました。 (剛性が足りない感じがして結局邪魔になったので今は外していますが……)

音源

たいしたものではありませんが,そこら辺の道で車の行き交う様子を録音してみたものです。 車の流れがイメージできますね。風防がついていないので風切り音が入っているのが残念なところ。 ケーブルの接触音なども含まれているので,動きながらの音を撮るのは難しいかもしれません。

製作

今回の部品一覧。専用ケーブルの材料も含まれています。 部品代としては全部で数千円程度です。

マイク素子は秋月電子で販売されていたC9767というエレクレットコンデンサーマイクを使用しています。 Φ10mmぐらいあるやつで「大は小を兼ねるだろう」ぐらいの理由で選定しました。

アルミケースに穴を開けた後,基板を介してマイク素子を固定している図。

回路は下記サイトを参考になんちゃってバランス駆動を採用しました。 抵抗とコンデンサだけで作れるのがとてもありがたいですね。

DIY Microphone: EM172 Capsule and XLR Plug

3Dプリンタで作成したパーツ。 マイクの回路図を見ると,ファンタム電源48Vのうちエレクトレットコンデンサーマイクの動作に必要な約1.5Vだけをマイクにかけて 残りは抵抗で消費するようになっています。ということはマイク素子のGnd側は回路全体のGndになっていないハズなので, マイク素子のケーシングとアルミケースは接触しないようにしたほうがよいハズです。(嘘書いていたらすいません) アルミケースとマイク素子の間に3Dプリンタのパーツがハマるようにすると短絡の心配が無くてより良くなると思いました。 ※残念ながら,今回作ったやつはそうなっていないので,絶縁テープをマイク素子の外周に巻いています。

ボツ号機

本体ケースを3Dプリンタで製作したボツ号機エディションです。 形にはこだわったもののノイズ対策が全くされていないため 電磁波探知機と化しました。

このボツ号機ではエレクトリックコンデンサーマイクをプラグインパワーで駆動させています。 またケースもプラスチック製でケーブルもRCA→ステレオフォンのケーブルなので, 全くシールドが無くありとあらゆるノイズを拾います。 例えば,冷蔵庫にケーブルを近づけると無視できないレベルのノイズが乗り, 電化製品のない廊下に出ると静かになります。

初代のダミーヘッドとこのボツ号機エディションは同じ構成なので, 当時気づかなかっただけで初代ダミヘもかなりノイズまみれだったのかなぁと思います。 すでに手元に無いので検証できませんが。。

形状だけで言えばこっちのほうがカッコいいんですけどね。

To Be Continued

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