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ストラト風ショルダーバッグ

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初めてカバン作りに挑戦しました。 ギター趣味とレザークラフト趣味のタッグマッチ作品。

レザークラフトやっている人が誰しも通る道のカバンでも作るか。 と突然思い至り作り始めました。後述しますが,こいつで既に試作3号機。 計画性のなさから設計変更を繰り返し, カバン一つ作るのに部品の発注をバラバラと6回も要してしまいました。 完成したのでまあいいですけど,かなりの「とりあえず」作品になりました。

「ローズウッド指板チェリーサンバースト色のフェンダーストラトキャスター」 がテーマです。 特徴的な部分として「ギター用のストラップをそのまま使用する」 「ローズウッド製のフタ」「舟形ジャック」が挙げられます。

なにげに今回始めてチャックに挑戦しました。個人的にチャックは耐久性が低く, 交換にも向かないと思っていたので,自分の作品では採用していませんでした。 しかし,カバンはフタが「完全に閉まること」が必須だと思っているので, 木製のかぶせだけではなく,チャックも併用しました。 チャックが上端ではなく側面についているのは, 木製のフタを止めるために上端部分のマチを薄くしたかったためです。

舟形ジャックプレートとは,通常ストラトキャスターのジャックに用いられているパーツです。 今回はそれをカバンの表面に大胆にアレンジ。 一応機能的には,充電ケーブルを外だしすることができます。 「ストラトキャスターがテーマだ!」と言っておきながら, ストラトキャスターっぽいものがこれしかないので詐欺のような気がしています。 ピックガード的なものがあればよりそれっぽくなると思うのですが, カバンのデザインに落とし込めませんでした。

ストラップはギターのもの流用する,という案は初期段階で決めました。 しかもシャーラー製ロックピンを採用することで,ストラップをギターに流用可能にしています。 逆に「ロックピンを固定するための構造として木製のフタを採用した」という経緯です。 カバンには関係ありませんが,数年ぶりにシャーラー製ロックピンを購入したら, 構造がかなり進化していて驚きました。

製作

今回の設計図(紙)なんだかんだ,実寸サイズで切り出して実際に折ってみるのが一番いいですね。 「木製 クラッチバッグ」とかで検索してデザインを眺めていたときにみつけたものを参考にしました。 この構造,見た目はかっこいいですが,実用はあまりない気がします。カバンが自立しないので。

舟形ジャックプレートと,それを裏から抑える木製パーツ。普通に接着するだけにしようかとも思いましたが, 表から見たときに革と舟形ジャックプレートの間に隙間が空くのが嫌だったので,抑えとして用意しました。 この形に木を削るのが面倒でした。今回,革を触っている時間よりも木を削っている時間のほうが長いです。

主となる外装部分のパーツは一枚物です。A3サイズの革から贅沢に使いました。 これは底パーツと舟形ジャックプレートを取り付けたあとの図。 底パーツはこのパーツの形に合わせてカバン全体が曲がるように貼り付けています。 舟形ジャックプレートを取り付けると作業時にかなり邪魔になるので, 今後また作る機会があったら,なるべく最後につけます。

チャックを取り付けた図。 チャックは3号のものを使用しています。 これぐらいの構造だったら,チャックが壊れたとしても, もう一度チャック部分だけ作り直せそうな気がします。 私個人の好みとしては,壊れにくいものよりも 壊れてもすぐ修理できるような構造になっているものが好きです。

すべてのパーツを取り付け終わった図。 今回は,色々な部分の寸法を4mmの倍数で統一してみました。 その結果,下穴(4mm間隔)を開けたときに端部分のあまりを気にしなくてよくなったので, おすすめの工夫だと思いました。

カバンの形になった図。 せっかく手縫いなので,外縫い(表に縫い目が見える構造)にしました。 試作2号機を袋縫い(裏返しの状態で縫って,ひっくり返す構造)にしたとき, 革の表面にシワができてしまったのも要因の一つです。 どちらにせよ,このチャックの構造だとあまり大きく口が開かないので, ひっくり返すのはかなり大変だと思います。

フタとなる木。木材の種類は正直なんでもよかったのですが, 真面目にローズウッドを採用しています。 フタの厚みは約10mm。なるべく薄いほうが軽くなっていいのですが, ロックピンを取り付けなければいけない都合上,この厚さです。 いつものようにオイルフィニッシュしています。 木材同士は蝶番で接合し,木材と革はネジ止め&ゴムのりで接着しています。

ボツ案

今回は作る過程でかなりのボツが出たので,その紹介もします。 これは試作第一号で,構造自体がかなり異なります。 マチ部分は3方別パーツで構成されており,その外側に木枠を取り付ける予定でした。 なんかカッコ悪いと思ったのでボツ。 このときはストラトキャスターのことは頭にありませんでした。

試作二号機の図。だいぶ完成形に近いですね。 袋縫いを試しているのと,チャックが上端部分に取り付けられています。 この時既に舟形ジャックプレートを使う気があったようですが, この位置だと革が湾曲した部分になってしまうので,構造的に無理が生じていました。

試作二号機に木製のフタを載せてみた図。あくまで載せただけでフタはくっついていません。 上端部分のマチがありすぎて蝶番でうまく取り付けられない,という問題が発生しています。 袋縫いしたためか,全体的に丸っこくなっており, 形としてはマンハッタンポーテージのショルダーバッグっぽい感じがしますね。

To Be Continued

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