Kantele

11弦カンテレ

About

某戦車道映画に出てきたフィンランドの民族楽器です。 非常にシンプルな作りですが,コンパクトで演奏するのも楽しい楽器です。 民族楽器だから?なのか”コレ”といった正解が見当たらなかったため, 自分が作りやすいようにアレンジしたものになっています。

ブリッジ部分。 一般的な4~11弦カンテレは両端を固定した金属の棒に弦を結ぶような構造のブリッジです。 しかし,適当な金属棒が見当たらなかったのと,11弦分の張力に耐えられる構造を考えるのが面倒だったので,ギターと同じような構造にしました。 今回はあまりお金をかけていないので,白く見えるサドルは3 mmのアクリル板です。 弦はギターの2弦を使用しています。 ゲージは高音側から0.14×3,0.16×3,0.18×2,0.20×3です。 ネットで見かけた情報を元に張っただけなので,これが正しいかはわかりません.

ペグ部分。本来はハープやピアノなどに使われるチューニングピンなるものが使われますが, なかなかチューニングピンを購入できる場所がなかったため,ギター用のペグを使用しています。 回しやすさまで考えずに設計してしまったため,画像下側はかなり狭く,回しづらいです。 ペグの頭を本体からはみ出させる制約と,加工の都合上,各弦の張力は一定になっていません。 テーラーの公式を使うと張力は計算できますが,1割程度の差だったので問題ないと判断しました。

裏面。調べたところ,裏面は蓋のない構造らしいということで,空洞のままにしています。 横板等の構造物を付ける前の状態がわからないので,どれだけ音に影響があるかは不明です。 ただし,膝の上に載せて演奏する場合,この構造物が無いとかなり弾きにくいように思います。

ブリッジ裏側。当初の予定ではギターの弦を裏通しするときに使用するストリングブッシュを埋め込もうと思ったのですが, それ用の穴を開けることのできる工具が手元になかったためワッシャーで代用しています。 ワッシャーを使うならもっと木に開けた穴は小さい方が良かったな,と開けてから後悔しました。

横部分。色が染まっていない領域は接着に使用したボンドが表面にはみ出ている部分です。 今回の工作がいかにテキトーに仕上げられているかを物語っています。 これはこれで味があるということで。

製作

アイデア出し&構想中の図。 工作はこの時間がある意味一番楽しいかもしれません (完成した物を見るとクオリティの低さに悲しくなるので)。 よくあるカンテレは弦が完全に平行になってないモノが多いような気がするのですが,この時点でそれは諦めて平行のモデルを考えていたようです。

普段は勢いだけで工作に入るのですが,今回は斜め部分等を真面目に考えねばならんということでCADで図面に起こしました。 といっても自分さえわかればOKな図面なので,寸法等々はかなり省略。 プリンタを持っていないのでコンビニで印刷しましたが,原寸大に印刷するのに苦労しました。 ちなみに今回使用したCADソフトはdraftsightというフリーソフトです。 コマンドライン上で完結できる点が実によろしいです。

印刷した様子。 やはり図面起こすのは大事だと実感しました。 木材はホームセンターで900円ぐらいで売っていたものです。 板の厚さ等も特に考えてなかった(10 mmあればいいかな程度)ので,売っていた14 mmの木を使用しました。 なんの木かは忘れました。

切断した状態。 やはりギター用などの高級な木材ではないので,圧倒的に加工しやすいです。 11本も弦を張って果たして材料が変形しないのか心配になるほどに柔らかいです。 今まで部屋の床で直接切り刻んでいましたが,ようやく学習したのかブルーシートを買ってその上で作業するようにしました。

裏面の箱部分。 ここも購入した板の幅をそのまま利用した設計になってます。 民族楽器だからという言い訳で,かなりルーズな工作です。 加工も適当すぎたため,板と板の接合面に隙間が空きました。 そこにボンドを流しこんだため,塗装時に後悔することになりました。

塗装直前.切りくずがブルーシートはみ出していますね。 なんの意味もないですね。 構想からここまでで1週間もかかっていません。 今にして思えばこの時点でもう少し丁寧に表面全体を研磨しておけば良かったな,と思います. 次回作るときは気をつけます。

塗装中。 今回もMBOと同じようにオイルフィニッシュで仕上げています。 MBOではマホガニーカラーのワトコオイルを使いましたが,今回はエボニーカラーのオイルを使用しました。 先述の通り研磨が甘いため,木目の一部とボンド部分が全く染まっていません。 こういう工作を続けてはいけないという戒め。 でもちゃんと完成して音もなったので今回はそれで満足です。

音源

調子にのって完成当日に作った音源。 曲は某戦車道映画で使われていたフィンランド民族音楽のサッキヤルヴェン・ポルッカの一部。 完成後1時間ぐらい練習すればコレぐらいは弾けるようになります。 カンテレは通常Aから始まるDメジャーでチューニングするそうですが,この曲を弾くためのチューニングは変則的で, 低音弦から順にA, B, C#, D, E, F, G, A, Bb, C, Dです。 音が11種類しかないので,なんとなくで弾いてみるとだいたい耳コピできるはずです。 カンテレとは関係ないですがベースは別に紹介しているMBOで弾いてます(midi機能は使用してませんが)。

To Be Continued

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